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【「ごほうび」はいいも悪いも使い方次第!】
子どもの勉強を見ていてやる気がないなぁと感じたときなど、
ついつい使いたくなってしまうのが「ごほうび」です。
大人の仕事にもインセンティブ制度があるように、
目標とリターンがはっきりしていると不思議とがんばれてしまいますよね。
「ごほうび」を上手く使えば、モチベーションをあげることができます。
一方、「いつ」「どんな時」に「ごほうび」を使うのか、
ルールを決めておかないと、
モチベーションアップ効果がなくなってしまうばかりか、
単なる「甘やかし」になってしまうという危険な側面もあります。
子どもの教育には、どうやって「ごほうび」を使えばいいのでしょうか?
【効果は一瞬?長期的には悪影響の可能性も】
大学生を対象とした海外の社会実験によると、
「ごほうび(インセンティブ)」を設定した場合、
短期的には成績がアップしたそうです。
これを子どもの教育に置き換えると、
「テストで100点取れたらお小遣いあげるよ」
と、「ごほうび」を提示したことで、
対象のテストだけは成績が良くなった状態と同じです。
しかし、お気付きの通り「ごほうび」の効果は永遠には続きません。
最初のテストはお小遣いが100円で満足できても、
次第に、200円、300円…と、高い報酬をもらいたくなってしまうのが人の心というものです。
そもそも勉強とは、「テストでいい点を取ってお小遣いをもらうことが目的」なのではなく、
「自分の人生を豊かにするための手段」です。
何も考えずに「ごほうび」を設定してしまうことで、
子どもの中で目的がお小遣いになってしまったら、本末転倒ですよね。
【二度と失うことのないモチベーション=内的動機】
「動機」には、二種類あることを確認しておきましょう。
一つ目は、強制されて生まれる「外的動機」、
二つ目は、自発的に抱く「内的動機」です。
「テストでいい点を取ったときにもらえるお小遣い(ごほうび)」や、
「テストでいい点を取ったときに漫画を取り上げられる(罰)は、
親など自分以外の人から与えられるものなので、外的動機です。
他方で、「この問題をできるようになりたい」
「難しい問題を解くのが楽しい」「あの学校に合格したい!」と、
子どもが自ら取り組むのは、内的動機と言えます。
親としては、子どもに内的動機を持ってもらうために働きかけるのが正解です。
飴とムチを駆使して外的動機で子どもを動かす方が、短期的には楽ですし、
内的動機を形成するのは時間がかかるので、根気も必要になってきます。
ただ、一度内的動機が形成されれば、そう簡単には消えません。
いくつかのコツを紹介しますので、「内的動機」を育てる参考にして見てください。
【自信を持たせる】
何よりも大切なのは、「できた!」という自信です。
「できた!」の積み重ねによって、
難しく感じることでも、自分ならきっとできると、
どんどんチャレンジできる自信が生まれます。
その結果、いろいろなことに挑戦するのが「楽しい」という気持ちに繋がります。
得意なことだけではなく、苦手だったけどチャレンジして前よりもできるようになったことを
見つけて褒めてあげてください。
【褒めるのは結果ではなく過程】
誰でも、初めから何かを完璧にこなせることはありません。
最初はうまくいかず失敗してしまうことがほとんどですよね。
子どもの勉強でも同じことです。
最初にチャレンジした問題で叱られてしまったら、
次に挑戦するのが怖くなってしまいます。
たとえ、回答を間違ってしまっても、その問題に挑戦したこと自体を褒めてあげましょう。
「できなかったけど、もう一度解いてみよう」という、
諦めない気持ちを持ってもらうことがゴールです。
やらされ感(外的動機)ではなく、内的動機を強く持つ子供は、
生活の中にも楽しみを見るけることがうまくなり、
身の回りのもので遊びを考え出したり、
創意工夫したりする過程も楽しめるので、充実した毎日を過ごせます。
これは親としてはとても嬉しいことですね。
【正しい「ごほうび」の使い方】
使いすぎると「ごほうび」が良くないものになってしまうことは、
お分りいただけたでしょう。
しかし、タイミングを選んで使えばいいこともあります。
たとえば、「最終的な結果に対するごほうび」。
中学受験の本番など、ずっとがんばってきたことの集大成などの場合は、
「終わったら旅行に行こう!」など、ごほうびを設定して後押ししてあげてもいいでしょう。
あくまでもごほうびは、合否ではなく、
中学受験をやりきったこと(過程)に対して設定しましょう。
また、勉強に限らず「何かにチャレンジしたとき」もいい機会です。
大きな舞台に上がったり、資格試験を受けた後など、
レストランを予約して一緒に美味しいものを食べるということでもいいですね。
家族の思い出に残る形で、「ごほうび」を設定するのは素敵ですね。
「ごほうび」はうまく使って、子どもの成長に役立ててください。